マブべえがおの会 資料

スリランカにおける鍼灸について

報告者:  遠藤 無一 (マブベえがおの会会員)

 

報告日:  2004年9月1日

 

2004年7月24日から約一か月にわたりスリランカを訪れ、スリランカの鍼灸治療の現状と、今後の鍼灸とタッチセラピー(いわゆるマブベの会の提案する「小児はり法」)の普及活動の可能性について予備調査を行った。

 

スリランカの国土面積は北海道の約80%、人口は約1900万人である。仏教徒が80%を占め、残りがヒンドゥ、イスラム、クリスチャンで構成される。(外務省データによる) 

 

スリランカでは約20年にわたり、政府軍と独立派グループが一部の地域(主に北部・東部)で内戦を繰り広げてきた。しかし、2002年の停戦合意にもとづき、この北東部の治安は回復・安定方向に向かっている。 その他の地域の治安はとても安定している。

 

今回の調査はクルネガーラ市にて行った。クルネーガラ市はスリランカの中央に位置する北西部州の州都で、国の北部と南部、東部と西部をつな ぐ交通の要所である。クルネガーラ市は戦闘のあった地域からは地理的に離れており、治安はとても安定しており、全く平穏で平和そのもの印象がある。

 

スリランカの医療は国公立病院で無料で受けられる。この国公立病院には大きく(1)西洋医学系と、(2)伝統医学系(アーユル・ウェーダ療法)の2種類がある。 また、この他に大小の私立病院があり、主に所得に余裕のある階層が利用している。

 

ハリ治療については、首都コロンボ近郊の公立病院で一か所で行われている。 広く一般の人たちにハリ治療を知っているかインタヴューしたと ころ、名前は聞いたことがあるが、実際にどういう治療をするのかは、全く解っていないのが実情である。なお、灸の認知度は皆無である。

 

ハリを体系的に学べる公的な教育機関は、スリランカ国内では二か所ある。それはアユール・ヴェーダ大学であり、カリキュラムにハリの授業が組み込まれている。 灸については全くない。したがって、アユールヴェーダのドクターはハリに関する知識は一応もっている。

 

今回、国立アーユル・ウェーダ病院の一室をお借りし、入院患者および一部の外来患者に対し、実際に鍼灸治療を提供する機会を頂いた。ハリ治療および灸治療のいずれも患者の反応は概ね良く、今後も継続した治療を受けたいの要望を多数頂いた。

 

8月 スリランカの風景

スリランカ スリランカ
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1800年前の鍼の文献
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8月 スリランカの風景

全体的な感想として、

 

(1)一般レベルでの鍼灸療法の認知度は低いが、約2千年以上にもわたるアーユル・ウェーダという伝統療法が確立・浸透しており、鍼灸という伝統療法を受け入れる素地は十分にあると思われる。

 

(2)鍼灸療法と、アーユル・ウェーダ(湯液、マッサージ)を組み合わせることにより、立体的で奥行きのある治療を提供できる可能性がある。

 

(3)今回は乳幼児の医療、健康管理に関する調査を十分に行うことができなかった。次回への課題としたい。 (大人への鍼灸治療が一般的に浸透していない現状を考えると、子供だけへのタッチセラピーの普及活動と定着は困難を要するものと考えられる。鍼灸の普及と タッチセラピーの普及活動を同期させた方が良いと思われる。)

 

(4)今回の調査ではじめてスリランカ国内において、内戦による地雷で手足を失った子供や大人、父親を失った家庭の子供の養育や教育、 孤児などの深刻な社会問題があることを知った。このような問題に対して、どのような形でかかわることができるのか更に考察する必要がある。

 

(5)いずれにしても、今後もさらに調査を続け、最終的にはスリランカにおいて鍼灸およびタッチセラピーを本格的に普及させていきたいと考えている。

 

なお、今回の調査において、特に現地NGOスプートニクを主催するエシャンタさんとロチャナ婦人、スプートニクのスタッフ、日本人ボラン ティアの若鍋さんと浦部さん、NGO活動家ニマルさん、アーユル・ウェーダ病院の院長ならびにスタッフ、ニガンボのマークスさん、マブベの会のみなさんに 大変お世話になりました。この場をお借りし、あらためてお礼申し上げます。

スリランカ事務所の仮開設について

スリランカ

2004年9月10日、スリランカ人NGO活動家であるニマル・アタパットゥ氏がマブベの会の事務局を訪れた。ニマル氏はスリランカ国内に おいて、地雷で手足をなくした子供たちへの義手援助、戦争で父親を失った母子家庭への教育援助、孤児院の援助などを行っており、この日は、スリランカの現 状についてご説明いただいた。

 

また、あらたにニマル氏が加入することになり、マブベの会ではスリランカのクルネーガラ市に仮の事務所を開設する運びとなった。今後、 スリランカでのタッチセラピーの導入・普及に関し、両者が協力していく旨で合意した。当面はクルネガーラ市の孤児院「ボーイズ・ホーム」のトイレ改修で協 力することとなった。

 

最後に、事務局長の長沼とみ子よりニマル氏にモバイル・パソコンが寄贈された。

 


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